第58回 哲学カフェ

「忘れる」ということ。

2023年12月9日(土)

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カフェ・サンラファエルさまの入り口
カフェ・サンラファエルさま

対面

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日 時: 2023年12月9日(土) 13:00~15:00

場 所: カフェ・サンラファエル

    (名古屋市西区名駅2-11-8 ファーストビル大樹1階)

     地下鉄「名古屋駅」1番出口より北へ徒歩5分

テーマ: 「忘れる」ということ。

進 行: 荒井 豊

参加費: 飲食代実費(440円~)

定 員: 15名

申 込: 受付中

内 容: 気が付けばもう12月。忘年会という言葉が聞こえてきます。

                 忘れることはなにかとネガティブに使われがちですが、忘れる力は神様からの贈り物

     かもしれません。

                 忘れたいこと、忘れたくないこと。

     今回は忘れるということについて、考えてみたいと思います。

                 初めての方も歓迎です。どうぞお気軽にご参加ください。

 主  催:   なごテツ(https://nagotetsu.jimdo.com/)

 共  催:   カフェフィロ(http://cafephilo.jp/)


テーマ:「「忘れる」ということ。」

 

・忘れるのか?覚えていないのか?

・忘年会とは、嫌なことを忘れる会らしい。忘れても教訓だけを覚えておけばよい。

・忘年会に参加したことがない。  

 →例えば、どのような物を忘れたいか?  

  →どのようなイメージありますか?  

   どちらかというと飲みの席と言う感じ。  

   あえて言えば、悪いことを忘れたいと思うのかな。  

    →特に深く考えたことはない?  

     →その言葉ができた頃は、その意味があったかもだが、今では意味はないのでは?       →酒飲んで、水に流してしまえ。  

       同じ窯の飯。コニュニケーションの場  

       だけど、若い子や女の子は、おじさんと同じ場にはいたくないようだ。  

       →USBメモリのように、いっぱいになるので、忘れるためなのではないだろうか?

・進行役より上の方は、忘年会のイメージはどうでしたか?  

 →忘年会で、全てチャラ、リセットの会と思っていた。  

  上司と喧嘩しようが、失敗しようが、去年のことじゃないか?  

  上司に対して、若者の失敗を忘れてくださいねと言う会だと思っていた。

・忘年会は、年に一回祭りをして、やっていない期間の汚れを落とそうとする機能があるの ではないか?  今は、個人主義の時代だから、共同体としての維持機能が薄れてきたような。

 最近の若者は、忘年会ではなく、個人的にパーティなどをして、処理しているのではないか?

・忘年会で、忘れてくれるような上司がいるといいなと思った。

 →実際上司なんて、お金も出さないしね...

・怒っている時に使う言葉。「誰が言ったかは忘れたけど、こうやって言われたけどさ」と 使う言い方があ 

 る。  

 →忘れると言うことは、人間は重要なことだけを覚える。なので、その人は重要ではない だけではない 

  か?

  →絶対に忘れるわけないに、わざと皮肉をこめている。

・バッターボックスにいるように、球を打つことに集中して、それ以外を忘れてしまう。

 →記憶自体は無くなっていないが、その時その時の意識の量が異なるのではないか?

  →歳をとると、そう言うわけにはいかない。名前も出てこない。

   →名前を聞いたら、思い出せますか?

    →そうでもない... ・脳科学者。人間の記憶。ニューロン。電気信号の流すパターンである。

     あまり使われなくなると、そのパターンを再構成し、再現すると言うことができなくなっている 

     らしい。

     そう考えると、記憶は実態ではなく、パターンなので、記憶は再現がない。

     記憶を引き出すことにすごくエネルギーを使う。

     タコなぜ頭がでかいか?という本がある。

     エネルギーを節約するために、忘れるのではないか?

・寝食を忘れて○○すると。いう表現がある。

 目には入っているけど。目には入っているが、それ以外を忘れてしまう。

・呼び出すためのパターンって何?

 →脳が考える仕組みは、pcと似ていると思う。

  0,1の組み合わせと脳の仕組み(電気信号)が見ている。

  ABCと BCAは、2パターンとなると思う。電気の流れるパターンで記憶が異なるので はないか?

  何回もパターンを呼び出されると、その経路が太くなる。

  その逆はパターンを引き出せなくなる。それが忘れるものではないか?

  →名前は忘れても、顔は覚えている。

   絵は覚えやすくても、言葉だけだと忘れやすいような。

   →インプットは色々ある。しゃべる、書く、匂い。初恋の匂い。

・ものを覚えるとき。一度にたくさんは覚えられないではなく、全部覚えている。

 しかし、同時に忘れていく。そう言う感じがする。

  →本当にそうなのだろうか?

 ・情報は、一旦目に入っている。

 気になる車は、日常に目に入ってくることになる。(心理学で...)

 なので、意識しているかどうかなのでは?

・一旦、全て覚えると言うことは、無意識のことではないか?

 意識をしていなくても、フラッシュバックすることがある。

 →忘れる。覚えると言う考えたではなく、思い出せないとか異なるレベルで考えた方がい いのではない

  か?

  小さい頃の虐待は、思い出してしまうのではないか?

  封印している。思い出せないなど。フェーズがあるのではないか?

・生き物が原始的な頃は、記憶がなかったと思う。

 ある時に、獲得して、その時に忘れる機能も獲得したような…

 →タコがなぜと言う本にあった。

  大腸菌は記憶することができたらしい。

  自分に都合の良い化学物質にあるところに移動する。

 (移動しながら、トライアンドエラーを行う。)

  覚えるという機能らしきものは、原始の頃からあったかもしれない。

  ただ、人間のような高度になると忘れるというものを獲得したのではないか?

  →反射ではないか?

   反射と記憶の違いはどうか?

   →咄嗟の判断はどっちなんだろうか?

・歳のせいだか、記憶はあるが、でも引き出し方法がわからない。

 もどかしいという感じはないか?

 そうそう、あの人!という感じのもどかしさ。出てこないという実感

・言葉は一次元的なものだから、忘れやすいという発言があった。

 言葉は人伝たえの場合もあるが、見たということは自分で見たという確信がある。

・言葉と映像  映画と小説はどちらが記憶に残りやすいか?

 小説は自分なりの映像がある。と考えると、映像の方が残りやすいような。

・歳とってから、昔、見た美術品を見ると全くイメージが異なる。

 映像も少しずつ変わっていくと思う。

・意味記憶とエピソード記憶(自分が何をしたか?)

 エピソード記憶の方が記憶に残りやすい。

 映像・小説にしても、エピソードになっている方が記憶に残りやすいと思った。

 同じ意味の言葉が並んでいても、時代によって、エピソードが異なるということかと思った。

・見たものは正しいが、言葉は正しいかわからないという発言があったが、自分の見ているものと、隣の人 

 が見ているものは異なることもあるのではないか?  色調の感度など。

・自分が知っていることから、たどると覚えやすい。

・門前小僧習わぬ経を読む。

 勉強も何回も聞いていくうちに理解ができた。

 映像や図が覚えることの助けになるのではないか?

・映像や図があると、固定されてしまうこともある。

・ジグゾーパズルは、ある程度埋まっていくとイメージができる。

 記憶もそのようなことがあるのではないか?

 ところどころ記憶が抜けても思い出せるのではないか?

 忘れるも同様に考えられるではないか?

・明確な絵は覚えていないが、花柄だったかなどは覚えていることもある。

 記憶の核みたいなものがあるのではないか?

・パズルの1ピーズ目は置く場所に困るが、ある程度進むと置きやすくなる。

・匂いを嗅いだ時に思い出せるように、鍵となるものが入った時に全体を思い出せることが 不思議だと思っ

 た。

・日記をつけること。

 書いた方が忘れやすい。安心して、次の日にいける。

・いったん、頭に入れたものを忘れて、組み直すと新しいイメージが出来上がるのでは?

・悩み事がある時。

 頭の中にぐるぐるしている。紙に書き出すと記憶を外注してしまうと、忘れることができる。

 後から、見直すと、頭にあったものが、目に入ってくる。

・ご飯食べてものは、そのまま体になるわけではない。

 バラバラになって、吸収されるから、忘れるということも同じではないか?

・忘れることがバラバラになるということは、面白い考え方だと思った。

 (忘れることはなくなることと思っていた。)

・悩み事は、メモリとHDDと近い

・バラバラになったことを再構築できない。もしくは、構築ミスが起こるということではないか?

 都合の良い記憶か?

・構築ミスは、新しい発明ではないか?

 中世のいろんな絵を見て、ぐちゃぐちゃにして、ピカソの絵ができたら、発明ではないか?

・構築中、その記憶と関係のない記憶が入ってきてしまう。

 記憶がないにも関わらず、記憶を作ってしまう。

・バラバラにして、再構築するときには、その間に時間が経ってしまっている。

・バラバラにして、再構築のイメージって?

 →LEGOブロックをバラバラにして、組み立てても、同じものができていないイメージ

  →過去の出来事をバラバラにするというイメージが掴めない。

   →無意識のうちにやっているんじゃないかな?と思う。

    →バラバラになるとは、要素がバラバラになる。

     ティーカップの場合、何が入る。形。柄。それぞれがどこかにいってしまう。

     ティーカップというものだけを覚えている状態がバラバラになっている。

・認知症の方は、ティーカップをみて、それが何かわからない。

 それ自体を忘れるということもあると思った。

・元カノにあった。

 すれ違っても気がつかないのか?忘れたのか?

 忘れたのか?って、歌っていることに悲しさがある。

・認知症。

 関係性を忘れている。

 Aであるということは、それ以外があるから、成り立つ。

 それ自体ではなく、A以外との関係性を忘れているのではないか説がある。

 →認知症とは、何か機能が切れているので、それを忘れているというのか?

  紐付けが結びつかないということではないか?

  関係付ける機能自体が無くなっていることではないか?

・ネットで検索すると、自分の興味のあることしか読まなくなる。

 それ以外に結びつかなくなってきている。

・哲学カフェには、自分以外の興味を聞きにきている。

 歳をとると、頭が固まってしまう。

・人を忘れる。名前が出てこない。

 悪意なくやっているのに、なぜ傷つくのか?

 →過去、脛に傷を持つ立場だと、忘れて欲しいと思う。

  →人間は、自分が主役だ。その主役をなぜ忘れるんだ?という気持ちになる?

   人生を主体的に生きるために、五感・記憶などを使いこなしている。

   だから、それ以外を忘れてしまう。

・記憶と性格の関係

 幼少期に虐待を受けると、解離性同一障害を発症する方がいる。

 それを防衛するために、記憶を2つに分ける。

 そのために、性格が2つになってしまうのでは?

 →争いで勝った経験がある人は、交戦的になると思う。

  →体験に対して、どういう意味付けをしたのかが重要ではないか?

   例えば、虐待を受けた人が、助ける側になる人もいるかもしれないと思った。

・足を踏んだ方は忘れても、足を踏まれた方は忘れない。

 民族的にも謝っても、許してくれないこともある。

・お酒飲んでいるとき、シラフの時...

・言語化できないものは記憶できるか?

 →証明できないが、できると思う。

  →言語化できないが、結びつきがあるから、記憶できる。

   →犬はしゃべれないが、いじめた人のことは覚えている。

・言語化できないものこそ。記憶に残りやすい。

 歌は、歌詞がないので、思い出せない。

 クラシックとかは、壮大さなどのイメージはできるが、思い出しにくい。

 匂いなどは、記憶しにくい。

・言葉があることによって、記憶ができる、できないのではなく。

 言語があることで、記憶のレベルが上がると思う。

 言語がない動物は、一個一個の記憶だが、言語があることで、それぞれを抽象概念化できるのではない 

 か?

・工事現場に鳩の巣ができた。

 鳩の巣を退けた。2週間くらいずっと鳩に突かれた。

 記憶の強さはあるが、忘れないと生きていけないこともある。

 →忘れるというよりも、諦めたのではないか?

・許せないことがあったときでも、それを忘れていた時に、赦したと感じる。

 →忘れるが先で、それに気がついて、赦したと自覚が生まれた。

  →忘れることが便利だなと思う。

   忘れるということで、重要でないと判断でき、それで取捨選択ができる。

   →自分は良いが、共同体にとってよくない事もある。

    →老化と忘れる。

     生き物は老化を進化して、獲得した。

     →なぜ、生物は老化をするのか?

      便利ではないけど、獲得したという説もある。

      老化をする遺伝子があったとしても、それが発動する前に共同体が絶滅していた。

      忘れるということが同じ機能としたら、忘れるということが重要になる前に死んでいる時期が

      あった?

      →死ぬということを忘れているということか?

・忘れるという機能がなくて、全部覚えていたら、辛いでしょうか?

 自分としては、別にそれでも良いと思う。

 意味づけをすることで、解決できると思っている。

 →全部覚えていたら、話のネタができるのでラッキー

  →忘れたほうがいい。

   物事に悩んでしまうタイプなので、記憶が薄れることで乗り越えられることがあった。

   ずっと、記憶があると精神的に辛い。

   →覚えていても、良い記憶だけ思い出せば良いな。

    →辛い記憶があって、思い返すとそこまでではない。

     感情が薄れていると思うが、それは忘れるの一部ではないか?

     何かが起こった時の感情が薄れている。

     →辛いことがあったとしても、なぜそれに陥ったかの腑に落ちれば、良いのではないか?

・自己防衛本能。忘れる。封印。乗り越え。生きながらえ。死ぬことも忘れる。

 →袋叩きにあったときに、ある程度になると記憶を失う。

・忘れられる権利

 →犯した罪がネット上に残っている。

  罪を償っても、忘れられていない。

  →真珠湾攻撃だったり、歴史的な事件。

   忘れられないように博物館を作ったり、記念日を作ったりする。

   忘れるということ許すことがイコールであった通り、人間にとって、忘れるということは無くなると

   いうことではないか?

・忘れない力 ・封印することは、忘れることになりますか?

 →思い出すことを意識的に見ないようにしている状態なので、少し意味が違うのではないか?  

 

などなどです。

 

(作成: なごテツ世話人 羽根田 治

                                         

第58回 哲学カフェ

「忘れる」ということ。

2023年12月9日(土)

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