第61回 哲学カフェ

【名誉とは?

2024年3月9日(土)

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カフェ・サンラファエルさまの入り口
カフェ・サンラファエルさま

対面

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日 時: 2024年3月9日(土) 13:00~15:00

場 所: カフェ・サンラファエル

    (名古屋市西区名駅2-11-8 ファーストビル大樹1階)

     地下鉄「名古屋駅」1番出口より北へ徒歩5分

テーマ: 名誉とは?

進 行: 寺井 哲治

参加費: 飲食代実費(440円~)

定 員: 15名

申 込: 受付前

内 容: 名誉とは?

     「名誉のため」というとちょっと古めかしい価値観を感じる方もいらっしゃるかもしれません。      しかし、色々なネットでの問題には、名誉という言葉が隠れているように思います。

     名誉をスタートに、大切にするべきことを考えてみたいと思います。

 

     今回は「名誉」についてみなさんと考えてみたいと思います。

     初めての方も歓迎です。どうぞお気軽にご参加ください。

 主  催:   なごテツ(https://nagotetsu.jimdo.com/)

 共  催:   カフェフィロ(http://cafephilo.jp/)


今回のテーマは、「名誉とは?」です。

 

最近あまり使わなくなってしまった名誉という言葉ですが、この言葉が登場してくる場面は ちょっとふだんと違っているようです。そんな名誉についての対話ですが、どんな話となっていくのやら。

 

では、対話の内容の一部を以下に紹介します。

 

・名誉に対して栄誉という言葉もあるのですが違いはあるのでしょうか。

・プライドという言葉もあって、プライドが高いとか低いうことが災いの元になったりする。

・自慢→誇り→名誉の順で思いが強くなっている。

・全国大会で自分の学校の名誉を得るために戦った結果として栄誉を得る。

  

名誉を得ようとすることと栄誉を得ようとすることはどう違うのか

・学校の名前で得ると名誉なのでは?

・社会としての美徳をかなえたときに栄誉が与えられるのでは。

・名誉も栄誉も日常では使わない、それよりも名声、出世、自尊感情という言葉は使う。

・SNSの「いいね」はどれだろう。売名行為のように思われる。

 

たくさん「いいね」をもらっている人が得ているものはなんでしょう。

・本人にとっては承認欲求なのではないかと思うが、周りからみたら栄誉のようにみえるもので、それによ  

 り本人は認められているし、何かそれなりの地位をえているような感覚がある。

 

自分の中に名誉に近いことばがありますか。

・自分の中で使う似た言葉は社会的承認欲求。

 

名誉は自分の話なのか社会の話なのか

・栄誉は社会から与えられるもの

・権威から授かるものが栄誉

・名誉はお金では買えないもの(実際にはお金で買えるものもあるのでは)

・自分が喧伝してすごいと言ってしまうのは名誉なのだろうか。

・誰かが勝手に認めてくれるのが名誉では?

・国民栄誉賞は、国民に対して多大な貢献をしたということで授与していたと思いますが。

・自分の所属する集団の益になることを行なったものに与えれれるのが栄誉・名誉だと思う。

 

名誉を与えられることができる集団が持っているものとは何だろう

・王侯貴族のような権力をもった集団 

・権力や解釈権をもっている集団

・法を執行したり税金を取り立てる権力をもっている側が与えることができる

・勲章を辞退する人がいる、その分野を理解できない人からもらう栄誉をは潔しとしない。

・名誉は渡しにくさがある、お金はそのまま渡せるが、権力があるだけでは与えられない。 

・権力が与えているものは擬似的なものでしかない、先日亡くなった鳥山先生には名誉があると思うが、世

 界中の人から評価されることで得ていると思う。

・名誉は本人が作り上げたもの

・名誉は社会的な功績に対して与えるもので、すごいなと思う感情そのもの。形となった名誉と形となる前

 の感情としての名誉がある。

・名誉を与えてくれた人によって名誉と感じる。手塚治虫賞をもらうことがひとつの名誉。

・文学では、直木賞や芥川賞がある

・名誉なんてものは勲章を与えることで発生している.勲章を与えられることを辞退する人がいるから。

・勲章をもらっている人の方が信頼できる.

・勲章は評価基準が決まっていて適合すれば授与されるもの。

・社会に対して貢献した実績に対してあたえるもの。

・SNSの話で、ばかなことを言っていいねをもらっている人は、社会通念的には名誉を得られないが、SNS

 の特定の人たちの中では認められている。

・社会として認められているか、特定のグループから認められているかの違い.

 

名誉とプライドとの違いは?

・プライドは職業的な矜持のような狭い範囲での譲れないもの

・プライドは自分の内側から発生した名誉。名誉棄損は自分の内側から出たプライドを傷つけられたこと。 ・矜持はプライドとはちょっと違うのでは

・プライドは持つものであって、名誉は与えられるもの。プライドはパーソナルなもので、自分自身の生き

 ざまのようなもので、これで自分を保っている大事なもの。

・個人の美意識が関係しているのではないか。時代の要請とかでも変わってしまうもの

・自尊心とプライド

 

名誉の対立概念とは

・恥辱を受ける状態、名声を失った状態、汚名を返上

・赤穂浪士が仇討ちを果たした後にそのまま殺したら名誉、そのまま生かすとそれ以降に名誉を汚すことに

 なるかもしれない。

・不名誉と汚名、忘却と無関心

・名誉は得にくいが不名誉や汚名は得やすい。非対称性がある

 

プライドの反対は?

・ありのまま(見せたい形があるからプライド)、気にしない

・武士道や騎士道のような外に基準があってそれを守るのがプライドだが、それ以外のもの。

 

多様な価値観の中で名誉はどのようになっていくのか

・自尊心という強い気持ちからプライドは発生しているのでプライドはなくならないのでは。

・名誉は減っていってプライドは増えていく。SNSのように自分に同調してくれる人が増えるので、プライ

 ドの基準になるものが増えやすくなる。

・名誉を与える側も名誉を与えることでプライドを保持することで両者が依存しあって強化されている。名

 誉棄損ということを考えると、以前は雑誌とかでないと自分の意見を表現できなかったが、SNSが広がっ

 たことで毀損される名誉も多くなった。

・毀損される対象として、個人が浮かび上がってきてるっていう話と、基準としての基準値としての基準の

 考え方が広がってる。

・名誉~というものを与えることで、価値基準を押し付けるということがあったが、自分の価値基準という

 ものをしっかり持っていればいい

 

プライドや名誉を得ると何が変わりますか

・社会的に承認欲求が満たされるので幸せではある。名誉とまでも言えなくても人に喜びをあたえることが

 できることは幸せにつながると思う。

・名誉を得た後が本当に大変。素晴らしい業績を上げてもやはり人間で気をつけないと人を下に見てしまっ

 たり、自分以外の価値を認められなかったりして、若くして名誉を得ても晩節を汚してしまう例もあるよ

 うに思いました。

・国民栄誉賞なんかをもらったら変なことができなくなる。自由が制限される。

・ピカソの場合は名声を得て経済的に自由になり、自由に絵をかけるようになった。

・名誉を求めた人が社会の枠をつくっていったのではないか。

・名誉が個人の枠を作るとともに社会の枠を作る.

 

以上で、時間となりました。

 

いかがだったでしょうか、名誉を得るのも守るのも大変そうです。でも、それぞれの生き様にちょっとしたプライドを持つことは大事なことかも知れませんね。      

 

                              (作成: なごテツ世話人 荒井 豊)                                  


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